フロップでフラッシュが完成したらどう打つ?テキサスホールデム5つの実戦ポイント

フロップでフラッシュが完成したときの戦略を伝えるカバー画像。クラブのロイヤルフラッシュ、ポーカーチップ、「Flopped Flush Strategy」のタイトルを表示

フロップでいきなりフラッシュが完成したら、「これはさすがに楽なハンドだ」と思いたくなります。

すでに5枚の同スートがそろっているのだから、あとはどうやってポットを大きくするかだけ。そう考えても不思議ではありません。

ところが、Aハイのフラッシュと6ハイのフラッシュでは、大きなアクションを受けたときに安心して入れられるチップの量がまったく違います。ポジション、プリフロップのアクション、相手のタイプ、そしてターンやリバーのカード次第で、同じフラッシュでも価値は大きく変わります。

同じスートのホールカード2枚を持っている場合、フロップでそのままフラッシュが完成する確率は約0.84%。およそ119回に1回です。

せっかく引いた強いハンドだからといって、「どうやって最大限チップを入れるか」だけを考える必要はありません。

どんな弱いハンドがこちらのベットについてくるのか。相手にもっと高いフラッシュはあり得るのか。ターンやリバーでボードが変わったとき、自分のフラッシュはまだどれくらい強いのか。

この5つの実戦ポイントは、そこから考えていきます。

1. まず自分のフラッシュがどれくらい強いのかを見る

すべてのフロップフラッシュをナッツのように扱わない

たとえば、BBで6♠5♠をディフェンドし、フロップがK♠9♠3♠だったとします。

フラッシュが完成しているので、もちろんかなり強いハンドです。ただし、同じフロップでA♠Q♠を持っている場合とは事情が違います。

A♠Q♠ならナッツフラッシュで、現時点ではそれより高いフラッシュはありません。

一方、6♠5♠なら、相手のレンジにはすでに自分より高い2枚のスペードを持つ組み合わせが残っています。

ポットが大きくなるほど、この差は無視できなくなります。

「フラッシュを持っている」で思考を止めず、自分のフラッシュが両者のレンジの中でどの位置にあるかを見てみましょう。

相手はどんなスーテッドハンドでこのフロップまで来るのか。自分より高いフラッシュはどれくらいあるのか。そして何より、自分より弱いどのハンドがベットやレイズについてくるのか。

自分のフラッシュがレンジ上位に近いほど、大きなポットを作りやすくなります。

逆に低いフラッシュで強いアクションを受けているなら、「フラッシュだから強い」で済ませず、その局面で相手がどんなレンジを持っているのかを見直す必要があります。

ハンドランクが強いことと、その局面での相対的な強さは別の話です。

2. 強いハンドを引いてもチェック戦略を急に変えない

プリフロップでコールした側から自動的にリードしない

BBでプリフロップのレイズをコールし、アウト・オブ・ポジションのままフロップでフラッシュが完成したとします。

ここで自分からベットしたくなる人は少なくありません。

せっかく強いハンドを引いたのだから、無料で次のカードを見せる必要はないと思うからです。

ただ、チェックした方が多く取れるケースもあります。

プリフロップでコールした側は、多くのモノトーンボードでレンジのかなりの部分をチェックします。今回のハンドだけ強くなったからといって、急に全体の戦略から外れてリードする必要はありません。

チェックすれば、プリフロップレイザーはフラッシュ以外のハンドでもベットを続けられます。

ボード、両者のレンジ、ベットサイズによっては、ワンペアやオーバーペア、セット、そのスートの高いカードを1枚持つハンド、ブラフなども含まれます。

こちらが先にリードすると、本来なら相手からベットを引き出せた弱いハンドまで止めてしまうことがあります。

さらに、強いハンドばかり自分からベットして、それ以外をチェックしていると、リードするレンジが強い方に偏りすぎます。

もちろん、ドンクベットそのものが常に間違いというわけではありません。レンジ構成が特殊な場面や、相手の明確な弱点を突ける状況なら有効なこともあります。

ただ、「フラッシュを引いたから」という理由だけでリードする必要はありません。

3. チェックコールとチェックレイズを使い分ける

毎回スロープレーするのも、毎回レイズするのも違う

こちらがチェックし、相手がc-betしてきたとします。

ここで、

「フラッシュだからレイズしよう」

と考えるのは自然です。

実際、それが正しい場面もあります。

チェックレイズすればポットを早く大きくできますし、相手が十分な数の弱いハンドで続けてくれるなら、そのままバリューにつながります。

ただし、レイズすると相手のベッティングレンジに含まれていた弱いハンドやブラフの一部は、その場でフォールドします。

相手がc-betは多いのに、レイズにはかなり慎重になるタイプなら、チェックコールの方が弱いハンドをターンまで残しやすく、ブラフも続けてもらえます。

フラッシュをチェックコールしたからといって、消極的なプレーとは限りません。

強いハンドで稼ぐには、相手を早い段階でポットから追い出さない方がいいこともあります。

逆に、レイズに対して弱いハンドでも広くコールする相手なら、毎回スロープレーするのはバリューの取り逃しです。

「フラッシュはスロープレーする」

「フラッシュならすぐに大きなポットを作る」

どちらも固定ルールにはできません。

ここで考えたいのは、

レイズしたとき、自分より弱いどのハンドが続いてくれるのか?

という点です。

多くの弱いハンドが残るなら、レイズは魅力的です。

ほとんど続かない一方で、コールした後なら相手がブラフを打ち続けるタイプなら、弱いレンジを残した方が収益的な場合もあります。

アクションには理由が必要です。単に「強いハンドだから」だけでは十分ではありません。

4. ターンとリバーでボードが変わったら再評価する

フロップ時点の強さに引っ張られない

フロップで完成したフラッシュをオーバープレーしてしまう原因のひとつは、最初に感じた「かなり強い」という印象を最後まで引きずることです。

しかし、ターンとリバーが進めば、両者のレンジも相対的なハンドの強さも変わります。

特に気をつけたいボードの変化は2つあります。

ひとつ目は、同じスートの4枚目が出るケースです。

自分がそのスートを2枚持ち、フロップにも同じスートが3枚出ているなら、47枚の未知カードのうち同スートは残り8枚です。

つまり、ターンで4枚目の同スートが出る確率は約17%です。

それほど頻繁に起きるわけではないため、「4枚目が怖い」という理由だけですべてのフロップフラッシュをスロープレーする必要はありません。

ただ、実際に4枚目が出たら評価は変わります。

先ほどの6♠5♠、K♠9♠3♠を例にすると、ターンでもう1枚スペードが出た場合、相手が自分より高いスペードを1枚持っているだけで、ボード上の4枚のスペードを使ってより高いフラッシュを作れる可能性があります。

フラッシュであることは変わりませんが、相対的な価値は下がっています。

もうひとつは、ボードがペアになるケースです。

標準的なテキサスホールデムでは、フラッシュはストレートより上ですが、フルハウスには負けます。

ボードがペアになると、それまでセットやツーペアだった一部のハンドがフルハウスになることがあります。

ボードがペアになっただけで毎回フラッシュを怖がる必要はありません。

見るべきなのは、「フロップでフラッシュを引いた」という過去の評価ではなく、今のボードで自分のハンドが相手のレンジに対してどれくらい強いのかです。

5. コールしすぎる相手からはしっかりバリューを取る

バランスを意識しすぎて取り逃さない

相手によって最適な打ち方は変わります。

ワンペアをなかなかフォールドできない人もいれば、ドローを追いすぎる人もいます。

リバーまでコールして、最後にブラフキャッチャーを持ったまま「もう1回だけ」とついてくる人もいます。

そういう相手に対して、強さを隠すことだけを考えてスロープレーし続けると、単純にバリューを取り逃します。

マイクロからローステークスでは、理論より広くコールする相手に出会うこともあります。

相手が明らかにコールしすぎるなら、弱いハンドがまだついてきてくれるうちにバリューを取る方が合理的です。

ただし、バリューベットを増やすことと、フロップの時点で「3ストリート全部ベットする」と決めることは別です。

ボードは変わります。

4枚目の同スートが出れば小さいフラッシュの価値は下がるかもしれません。ボードがペアになれば相手のレンジの一部が強くなることもあります。

それまで受け身だった相手がターンやリバーで突然大きくレイズしてきたなら、それ自体が新しい情報です。

コールしすぎる相手には、より積極的にバリューを取る。

ブラフしすぎる相手には、ブラフを続けられる余地を残す。

普段かなりパッシブな相手が突然大きなポットを作ろうとしてきたら、自分がフラッシュを持っているという理由だけで自動的についていかない。

相手の傾向に合わせて、そこまで打ち方を変えるのがexploitです。

フロップで完成したフラッシュは、見た目ほど簡単ではない

標準的なテキサスホールデムでは、フラッシュはストレートより上、フルハウスより下に位置します。

強い役であることは間違いありません。

ただ、ハンドランキング表だけでは、そのポットでどこまで強くプレーできるかまではわかりません。

小さいフラッシュでリバーの大きなレイズを受けるのと、ナッツフラッシュで同じレイズを受けるのでは判断が違います。

頻繁にブラフする相手と、ほとんどバリューでしかベットしない相手でも違います。

何も起きないランアウトと、ボードがペアになったり4枚同スートになったランアウトでも、同じようには扱えません。

フロップで強いハンドが完成したとしても、ターンとリバーがどうでもよくなるわけではありません。

まとめ

フロップでフラッシュが完成したら、最初に考えるべきなのは「どうやってスタックを全部入れるか」ではありません。

まず、自分のフラッシュがレンジの中でどれくらい強いのかを見る。

そのうえでポジション、相手、ここまでのアクションを確認し、チェックコールとチェックレイズのどちらがより多くのバリューにつながるかを考えます。

ターンやリバーでボードが変われば、その時点でハンドの相対的な強さも評価し直す必要があります。

フロップで強いフラッシュが完成したこと自体は問題ではありません。

その瞬間に「もう十分強い」と決めてしまい、最後まで評価を更新しないことの方が、大きな取り逃しや払いすぎにつながります。